2020/10/29 22:31
かけがえのない毎日。ありがとう。
だだっぴろいライ麦畑みたいなところで、小さな子供たちがいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、僕はいつも思い浮かべちまうんだ。
何千人 もの子供たちがいるんだけれど、他には誰もいない。
つまりちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。
僕のほかにはね。
それで僕はそのへんのクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。で、僕がそこで何をするかっていうとさ、誰かその崖から落ちそうになる子供がいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。
つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。そういうのを朝から晩までずっとやっている。ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。
ライ麦畑でつかまえて / J・D・サリンジャー